7481人が本棚に入れています
本棚に追加
/154ページ
「あ、えっと、成嶋部長は信託の支店長はご存知かな。こちらが、今日の講師のコンサルティングの成嶋部長です。あと、渉外課を取り仕切っている次長の榊原です。」
支店長ともう1人来ていた社員と名刺交換をする。
誰だ?改めて名刺を確認すると営業マンのようで、肩書きは課長代理になっていた。
柏木...。
なぜ、僕を熱い目で見てくるんだろう。
こいつ、ヤバイやつじゃないよな。
「聞いたよー!榊原次長、先程の小笠原さんのお嬢さんと婚約してるんだって?」
情報、早いな…。
「支社長が、仲人するなら自分だとか言って。」
誰もそんなこと言っていない。
「婚約が決まったのはつい先日です。」
こういう話は隠されると暴きたくなるが、堂々とされると、白けるものだと分かっている。
なので、榊原は堂々と答えた。
先程、真奈の指に婚約指輪が光っていたのをしっかり見たし。
「うちでも、誰が射止めるかと思っていたけどね。まさか、こちらの次長とは...。」
「あ、いや、榊原くんは...」
ストップだ!
「支店長、恐れ入りますが準備があるので、失礼させていただいてよろしいですか?そちらのお2人はどうされますか?」
榊原は並んで座っている2人の営業に笑顔を向けた。
「お手伝いします!」
担当者がそう言うと、もう1人の柏木とか言うやつもしぶしぶ席を立った。
なんだ、こいつ...。
会議室ではさらに設営の準備が進んでいた。
正面にはプロジェクターが設置されており、スライドも調整されている。
最初のコメントを投稿しよう!