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番外2:葵ちゃんのにのにぶんのいち
ある日、成嶋葵は上司の東川と共に、支店長に呼ばれた。
成嶋葵は、もともと、榊原と同じ支店で成嶋炯のチームで働いていた、いわゆる仲間、だった。
炯の仕事があまりにも要求が高くついてこれない!と悲鳴をあげ、人が辞めていた当時、配属されてきたのが、葵である。
当初、葵は銀行業務は、ほとんど未経験だったが、チームの他のメンバーにも支えられ、炯のこともサポートし、気づいたら、営業課のなくてはならない人材になっていた。
今は、採用が縁で、面識のある東川の下で働いている。
「エリア店舗で、相続セミナーですか…」
「そう。実は成嶋部長のセミナーがとても好評らしくて。そのセミナーが数字に繋がったとかで、開催したい支店が後を絶たないそうなんだよね。成嶋部長の時間を抑えてもらっている最中なんだって。」
ほら、うちのエリア出身だから、本部も優先的にスケジュール抑えてくれたらしいんだよね、と言っている。
らしい、らしいって、噂なの?
支店長が言うには、数ヶ月先にはなるが、成嶋のスケジュールは抑えることが可能らしいと言うことで、エリア店舗はそのつもりでいる、という。
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