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「大丈夫ですよ、葵さん。柳田は成嶋と面識あるので。今度一緒に仕事する予定ですし、あらかじめ言っておいた方が、叶わぬ恋に落ちなくて済みますから。」
ど、どーゆーことでしょうか…。
「あ、あははー」
笑うしかなかった。
「えっと、じゃあ、成嶋さん?流れを説明しますね。僕の席でいいでしょうか?」
「助かります。」
頭を仕事に切り替えねば!
「実際のところは集客がいちばんのポイントになるかも知れません。」
「なるほど…」
「人数のコントロールが結構難しいです。誰でもかれでも、という訳にもいきませんし。」
「ですよね。」
「今回はまず、外訪チームに優先的に声掛けてもらいました。」
「確かに、そうですね。」
「人気の講座内容なんです。皆、興味ありますから。でも、なかなか、専門家に聞く機会はないですよね。この際聞いておきたい、と思われる方は多いようです。」
特に、信託の担当者はプロですから、お客様にも喜ばれて、数字に繋がれば、担当者にも喜ばれるので、ウィンウィンですねと、柳田がにこりと笑う。
「特に注意事項とかありますか?」
「調整、が面倒いですかね。」
「調整…」
「はい。結局今回も、3社絡んでますから。」
なるほど、と、答えるが、その辺りは葵も炯が課長だったころ、一番鍛えられた部分だ。
その時、
「お世話になりまーす!」
と声が聞こえた。
炯さんだ!
柳田が席を立つ。
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