番外2:葵ちゃんのにのにぶんのいち

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「お、柳田くん、元気?」 「成嶋部長!先日はごちそうさまでした!」 「どういたしまして。また、行こうな。榊原、悪いな。準備とかもあるんで、ちょっと早目に来たんだ。」 当然なのだが、見知らぬ社員と一緒に来ていて。 そっか…もう、チームでもないし、同じ会社でもないんだな…。 しみじみ実感してしまった葵は、今更ではあるものの少しだけ寂しい気持ちになる。 炯は連れてきた社員を榊原に紹介していた。 榊原も初めて会うようで、お互い名刺交換をしている。 あははっ、と聞こえる炯の笑い声に、切なくなってしまう葵だ。 私だって、炯さんのことが好きなのに。 てか、私、こんなに独占欲強かった? 「柳田くん、葵さん、すみません。」 「「はいっ!」」 と2人で返事をして、名刺入れと、メモを手に榊原の席に向かう。 「成嶋部長、は当然知ってるよな。部下の寺崎さん。」 「本日はよろしくお願いします。成嶋部長の部下の寺崎と申します。」 その、寺崎が柳田に名刺を渡し、次に葵に名刺を渡してくれる。 はっきり言って、炯の100倍くらい銀行員っぽいが、銀行員では無い。名刺は『資産アドバイザー』となっていた。 その、名刺を見て、葵は気づく。 『寺崎 忍』 「寺崎、忍さん…」     
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