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「はい。成嶋葵さんですね。本日はよろしくお願い致します。」
つい、葵が名前を読んでしまうと、寺崎も読んで返してきた。
「よろしくお願いします…。」
う、嘘でしょ。絶対、電話の人だ。
てか、炯さんが忍ちゃん、なんて呼ぶから!!
しかし、この上なく炯らしい。
こっぱずかしい!!
この数日間の自分のぐるぐるは何だったのか。
いや、それだけではなくて、炯に甘え過ぎていなかったのか。
ちゃんと自立出来ていたんだろうか。
守られてばかりで、数字が出来ていても、ヤキモチ妬いたり、もう、私ってば…。
「あの、私、化粧室に、失礼します…」
ちょっと、落ち着こう。
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