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「今回のセミナーについては私が責任者ですので、私がまずはお伺いします。支店長にお話しされますか?それでもいいですけど。おおごとにされたいのであれば。」
「いや、そもそも、そういう話じゃないしね。」
「お伺いしましょう。」
相手は担当者と話が出来るか聞こうとしただけだったとか、不必要に彼女が騒ぎ立てたとか言い出し、貴志はぶちっと何かキレた音を頭の中で聞いた。
すうっと、表情が消えるのが分かる。
「私は途中からしか拝見していませんでしたがね、柿沼様が弊社グループ会社の社員の腕を掴んでいたところしか見ていないんですよ。」
誤解とおっしゃるならそれでも結構ですよ、と薄ら笑う。
「銀行というのは、あらゆるところに防犯カメラがついているんです。もちろん階段の踊り場などの、人気がないところには必ず。そのデータは支店で触れないので、本社で管理しているんです。」
取り寄せますか?私は構いませんけど。
そう、笑顔で尋ねると、柿沼が引き攣った顔になる。
「き、君ねぇ、僕は客だよ?客にそういう態度って、どうなんだ!?」
「先程から私は一切、怒鳴りつけたり、声を荒らげたりはしていないと思いますが?」
「しかし!失礼だ!」
「ご不快でしたら、お詫び致します。」
「こんな、不快な対応をされるのは心外だ!取引は引き上げさせてもらう!」
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