俺→オレ

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色彩屋は出来た塗料を専用のアルミバケツに入れてフタをすると、台所へ足を向けた。 冷蔵庫を開けると、甘酸っぱい香りに包まれる。 色彩屋はイチゴをひとつ口に放り込み、冷えた事を確認すると、大きなガラス瓶に詰め替えた。 ガラス瓶はとても大きく、イチゴジャムを全部入れても余裕がある。 色彩屋は小さな冷蔵庫から、血液のみが入ったガラス瓶を取ると、イチゴジャムのガラス瓶にすべて流し込んだ。 使い捨ての大きな木製マドラーでよくかき混ぜると、フタをした。 色彩屋は塗料とイチゴジャムを黒い箱に入れると、ピンクのリボンでラッピングをした。 送り主の色彩屋も、それを受け取るスプラッタクイーンも、その箱をスプラッタボックスと呼んだ。 「……めんどくせぇ」 そう言って舌打ちをすると、色彩屋は外に出て車にスプラッタボックスを積み、車を走らせた。 運転すること数十分、着いたのは真っ黒な洋館。 色彩屋は門前で車を停め、スプラッタボックスを抱えて敷地内に入っていく。 玄関を開けてすぐ分かるような場所にスプラッタボックスを置くと、インターホンを4回鳴らして間を置き、2回鳴らして帰った。 「あの女王様、次はどんな作品を作り上げるんだろうな?」 色彩屋は誰もいない部屋で嬉しそうに言うと、ベッドに入ってぐっすりと眠った。
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