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「焼き払うか?」
護身棒を取り出し、ガニガニ・9・ボーテは過激な提案をする。いつも持ち歩いている護身棒──長さ2メートルの棒の先に鞠がついた構造で、特殊な力場を発生させてさまざまな攻撃を防ぐことができたが、攻撃も可能であった。
「かわいそうですよ!」
ルケルケ・7・トーは拒否する。
「だったら、夜まで待つか? 暗くなれば活動も鈍くなるだろう」
「ええー、夜まで布団が取り込めないんですかぁ?」
「今は夏だから露が降りることもないだろ。それまではバリケードを築いて、襲撃に備えるのだ」
だいたい寝るのに布団を使うなんて故郷にはなかった習慣ではないか、とガニガニ・9・ボーテは地球文化に染まりすぎている後輩にある種の危惧を覚える。
「うーん、しかたないなぁ」
ルケルケ・7・トーはやや不服であったが、ほかに手もなく、バリケードを築くことにした。
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