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貴方は彼の力を本当に把握しているだろうか?本当にそんな弱々しい風量が、彼の本気だと思っているのか。
私に言わせれば飛んだお笑い草だ。
まるで手かせ足かせをするかのように大量の埃にまとわりつかれ、全面も後面も風のマナを取り込む事ができやしない。そんな埃塗れになった扇風機君を酷使している貴方に言っているのだ。
「もう寿命かなー。最近あんまりパワーが無くなってきてるからなー」
もう買い替えかな、などと考えている貴方に言っているのだ。
彼の力はそんな微風ではない。
ひとたび強のスイッチが入れば暑さを吹き飛ばすような風を吹き出し、その爽やかな乾燥は貴方を快適に過ごさせてくれる。彼、扇風機君の本来のパワーは貴方が考えているよりも一段と強いのだ。
そんな彼も風の魔力を存分に発揮できない時がある。
そう、前述のデバフ「埃塗れの呪い」が掛かっている場合である。
この呪いは彼が風のマナを取り込む事を阻害すると同時に、前面に風魔法を撃ち出す事に至ってまでも障害となる。彼にとってこれは致命的だ。どんなに力強く風を吹かせようとしても、二つの効果を持つデバフがかかっていては全然本来の力を発揮できないのである。
どうか彼の呪いを解除してあげて欲しい。これは切実な願いだ。
誰にでも簡単にできる事なのだ。少し面倒だが、彼の全体を洗ってやって欲しい。そうしたら彼は返礼に貴方のひと夏を想像よりも涼しくしてくれるだろう。
「面倒くさ。エアコンつけよ」
ノォオオオ!駄目だ!そいつの甘言に乗っては!確かにそいつの能力は彼を上回る。だが、だが・・・・・・そいつは忘れた頃に金を請求してくるぞ!やめろ!スイッチを入れるんじゃあない!うあああ!
「あー、扇風機なんて要らんわ。やっぱエアコンだよな」
あぁ、確かに扇風機の掃除すると涼しさが全然違うよ。嘘、マジか?!と思うくらい違うからオススメだよ。本当にやった方がいい。ま、俺はエアコンの方が涼しいけどな。興味がある方はやってみたらいいんじゃない?知らんけど。
じゃーな諸君、良い夏を!See you next time!Bye!
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