第4章

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「おかしいなぁ。恥ずかしくて嫌なのに、百瀬くんはこんなところを硬くしちゃうんだね」  徐々に硬度を増していく分身を、からかうように九鬼の指が弾く。 「ぁ、っ」  堪えきれず声を漏らすと、九鬼が喉奥で笑う。 「だって、九鬼さんが、そんなとこ触るから」 「そんなとこって、どんなとこ?」  言いながらも九鬼は、突き入れた指で内部を掻き出すように行き来する。その度に粘着質な水音が立って、そこから液体が溢れるのがわかった。まるで粗相をしているようで、羞恥のあまり涙が滲みそうになる。 「言ってくれなきゃわかんないな」  九鬼は嬉々として百瀬を追い詰める。 「……おしり、っ」 「ん? お尻?」  九鬼は惚けたように百瀬の臀部を撫でさする。 「ここじゃないよね? もっと正確に教えてくれる?」 「っ! 九鬼さんの……変態っ!」  赤い顔で思わず叫ぶと、九鬼は声を上げて笑った。 「あーあ、完全に勃っちゃたね」  気が付くと、百瀬の中心は後戻りできないところまで昂っていた。 「綺麗にしてただけなのになぁ」 「嘘つきっ……んんっ、ぅ」  九鬼の指が百瀬の屹立を掴み、ゆるゆると扱き上げる。 「大丈夫。ちゃんと抜いてあげるよ」 「ひっ、ぅ、ぁ、あっ」  九鬼は百瀬の分身に刺激を与えながら、内壁の一点を押し上げる。九鬼と体を合わせたのはまだ片手で数えるほどしかないが、九鬼はもう当の本人より百瀬の体の弱い場所を知っていた。  最奥の敏感な部分を容赦なく攻められる。前との刺激と合わさって、百瀬はすぐに高みへと駆け上がった。 「ぁ、九鬼、さっ……も、駄目」 「ん、イっていいよ」 「ゃ、やっ、んっ、あっ」  九鬼はじらすことなく、すぐに百瀬を解放させた。腰を揺らしながら、百瀬は自分の腹の上に熱を放つ。荒い息を吐きながら体を弛緩させる。 「綺麗にしたところなのになぁ」  快楽の余韻に痺れた体を投げ出していると、九鬼が放たれたばかりの白濁を拭き取ってくれる。百瀬が半ば朦朧としている間に、硬度をなくした分身や、最奥の入口も綺麗に拭われた。
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