夏が来た日

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「あ、雪子おばちゃん、この子、男の子?女の子?」 「男の子よ」 「そっか、じゃあ、正式名は夏彦だね」 「えー!夏彦!?」 およそ犬らしくないその名前に、雪子おばちゃんは笑う。 慣れてきたのか、私の腕の中で眠そうに目をシパシパさせ始めた仔犬にそっと顔を近づけると、太陽の匂いがした。 「よろしくね。ナツ」 ようやく我が家に、夏がやって来た。
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