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祈っていたから、悲しい目になっちゃった」
ユウヒちゃんは僕に背を向け、てくてくと歩く。
「…ごめんね。
私はずっと、リョウ君を呪ってしまっていたんだね」
「そんな事どうだって良いっ!
僕は…僕はずっとユウヒちゃんに謝りたかったんだ!
許してくれなくて良いっ!永遠に呪ってくれても良いっ!
僕は…僕はユウヒちゃんに…!」
「…うん。分かった。
それじゃあ、私は、リョウ君を呪うよ。
それが、リョウ君への、私からの罰」
ユウヒちゃんはくるりと振り返り、
微笑む。
悲しそうに。
けれど、少しだけ嬉しそうに。
「私を、忘れないで。
ずっと、ずっと。
誰を好きになっても良いから。
誰と愛し合って、結婚して、子供を作っても良いから。
リョウ君が死ぬまで、私を忘れないで。
…それが、私がリョウ君に掛ける、最期の呪い」
ユウヒちゃんの体が淡く光り出し、光の粒子となって、ほろほろと消えていく。
「ユウヒちゃんっ!?」
「…良かった。
もう時間もあまりなかったから、リョウ君に会えて、本当に良かった」
「ユウヒちゃんっ!ユウヒちゃんっ!」
僕は駆け出して、手を伸ばす。
そうしてどうにかなるなんて、思っちゃいないけど。
そうしなきゃって、思ったから。
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