慰魂祭

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 もう一度レバーを引き、コルクを詰め、狙い、引き金を引く。  当たった。  落ちない。  もう一度。  もう一度。  もう一度。 「…すいません。もう一回…」 「――――♪――――♪」  女の子は嬉しそうにぬいぐるみを抱き抱え、うきうきと歩いていた。  ぬいぐるみを取るのに五千円使ったけど…ま、こんなに喜んでもらえるなら軽い代償だ。  なんて事を、チョコバナナを頬張りながら思っていた。  手は、ぎゅと、繋いだまま。  …そうこうしているうちに、縁日の終わりが見えた。  このままUターンして、もう一度縁日を見て回るかー…。  そんな事を考えていると、バーーーーンという轟音が響いて、  屋台が、色とりどりの光に照らされた。  このお祭りではいつの頃からか、最終日に花火を打ち上げている。  そっか、もう花火が打ちあがるそんな時間になったんだ。 「…………、…………」  と、不意に女の子が僕の手を引いて、どこかへと歩き出す。  僕は、女の子が導くまま、森の奥をどんどん進んで行った。  森の奥、辿り着いたそこは、ぽつんと、ぽっかりと開けた場所。  花火の多彩な光が、そこに差し込んでいる。  女の子は手を引いて、その場所の中央へ僕を誘導し、上を見上げる。  僕もそれに習って、上を見上げた。     
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