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「おはよっ」  既にほとんどの生徒が登校し、ざわついた教室へ駆け入る。 「絵麻、おっそ!もうHR始まるし」 クラスメイトの鈴原紗季(すずはらさき)がつっこんできて、えへ、と笑いを返したところで、後ろからとん、と背中を小突かれた。久保翔真(くぼしょうま)、近くの席でやたら絡んでくる男子だ。同じ小学校からの付き合いでもある。 「また寝坊かよ、ちゃんと起きろよ~」 「ち、違うし!毎日部活でへとへとなんだってばー」 「それで起きれないんだから、結局寝坊じゃね?」 「あ・・・」 「久保、するどい」と紗季が言ったところで担任が教室へ入ってきたため、それぞれ席へ着いた。  中学へ入学してから、テニス部に入った。二学期になって、一学期とは違って球拾いと素振り以外のこともさせてもらえるようになり、部活は楽しくなってきたところだ。毎日日が暮れるまで練習があり、朝起きれないのも事実である。  放課後以外は練習はないので、昼休みはいつも友達とのんびり話して過ごす。 「そういやさ、うちのクラスの山田と酒井さん、先週から付き合い始めたらしいよ」 紗季がヒソヒソ声で言った。 「へぇ、山田やるじゃん」翔真が返す。 「ふーん・・・」     
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