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紗季は本当にムードメーカーだな、と絵麻は思う。誰とでも気軽に話せて、会話に飽きさせることがない。「極秘話」とやらがあるとのことだったが、紗季のように明るく目立つ子ならば、やはり男子から告白されたりしているのだろうか。
美術室の入り口に差し掛かった時、ふと横の壁に飾ってある絵が目に入った。
「あ・・・」
朝の、教室――
去年の秋に美術館で見た、あの絵とよく似ている。
違うのは、その絵は中学校の教室を描いたものだという点。
息が詰まり、心臓がどくん、と鳴った。
「絵麻ー?どうしたのー?」
「あ、ごめん、なんでもない!」
先に入っていた紗季と翔真に呼ばれ我に返り、絵麻も美術室へ入った。
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