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また、いつもみたいにこの場所に来ては『貴方』を忘れたくなくて、思い出しては、『貴方』がいつか、また来てくれるんじゃないか、って期待してる私がいる。
そして、『貴方』との月日を思い出しては恋しさに一人で涙を流す。
もう一度だけでいい、会ってあの月日が嘘じゃなかったって思わせて欲しい…。
今晩は、特に『貴方』が恋しくて、いつかのあの日に味わったブルーハワイのかき氷を一人、口に運んでいく。
最後の一口を食べた瞬間、
「ココ、来たの久々なんですけど、相変わらず景色がすげえ綺麗で涼しくて、一番好きな場所なんですよね。」
いつかのあの日のように背後から、少し低めの私の好きな、あの声がする。
うっすら涙目でビックリして振り向くと、
あの月日を共にした変わらない微笑みを浮かべた『貴方』がいた。
私はもう、夢中になって大泣きしながら抱きついた。
「私はまだ待ってて良かった?もう、あの日には戻れないの?」
私が『貴方』の居ない間、ずっと聞きたかった言葉を耳元で呟く。
『貴方』は私に優しく二回目のキスをした。
やっぱり、キスってブルーハワイの味なんだ、って思っていたら
『貴方』は私を強く引き寄せて、抱き締めた。
その瞬間、優しく囁くように、
「 ー。」
私の耳元で返事を呟いた。
その言葉を聴いた私は、溢れていた涙を堪えることが出来なくて、涙を流し続けけた。
この晩は、いつかのあの月日と変わらない、穏やかな波の音しか流れていないこの静けさの空間に、海風の潮の匂いと、うっすら汗の匂いと、柔軟剤が混ざったような私の好きな匂いがしていた。
今の私なら、今晩を忘れない、此れからはこの場所で涙を流す必要はない、と思いながら、
繋がった『貴方』を強く抱き締めた。
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