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***** 「ヤバい……田舎ナメてた」  だらだらと続く田んぼ道を真昼の太陽が焦がしている。  右には田んぼ。左にも田んぼ。……見渡すかぎり、田んぼしかない。 「せめて帽子くらいかぶってくればよかった」と思いながら、首に張り付く髪の毛を払う。  汗だくでタラタラと歩くアヤの傍らを1台のバイクが優雅に追い抜いていく。  ……かと思ったら、10メートルほど先でバイクが停まる。  運転手がヘルメットを外しながらアヤの方を振り向いた。 「もしかして、アヤ……!?」  ヘルメットを胸元に抱えた運転手が、アヤを見つめている。 「……タカ?」 「おぉ、久しぶり!」  アヤに向かって探るような目を向けていた男の顔が一気に緩んだ。  タカは高校時代の同級生だ。  目尻の皺は少し増えたけれど、タカの笑顔にはあの頃の面影がたしかに残っている。 「おい」  タカがバイクの向きを変えて、アヤの元へやってくる。 「お前、死ぬぞ」
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