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悪魔がやってきた
中学生になると、何かと気を遣うことが多くなって、ちょっとずつ生理が重くなってきた。中1の夏、私は今まで仲が良かった友だちから避けられるようになった。その時は、避けられている理由が全く分からなかったが、今思えば、いじめられていたクラスメイトを助けたことと、クラスの女の子たちに人気だった男の子と小学校が同じで、とても仲が良かったということが原因だと思う。
その頃から徐々に重くなっていったような気がする。はじめはお腹が重いし、少し痛いなというくらいだった。
学校に行くことがつらくなって、朝起きても15分は身動きがとれないくらい痛くて、うずくまるしか方法はなかった。でも、親には言えないし、学校も休むわけにはいかなかった。いや、今まで一度も学校を休んだことのない私には学校を休む勇気なんてなかった。だから、我慢して学校に行った。
中学2年になって、ますます生理が重くなった。
もう、限界……。
そう思って、私は母に打ち明けた。
でも、わかってもらえなかった……。
「そんなんみんな痛いわ。我慢してるねん」
その時は生理痛に個人差があるなんて知らなかったから、「私の我慢が足りないんだ」って、「我慢しなきゃ」って自分に言い聞かせた。
毎月、この悪魔の七日間が本当につらかった。
そして、私は倒れた。2年の夏、英語の授業の途中で、私は自分の席から崩れ落ちた。
気がついたら、保健室のベッドの上だった。
「先生、このことはお母さんに言わないでください。もう、大丈夫ですから」
怖かった。
我慢が足りないって思われることが。
すると、先生は
「分かった。でも、心配だから、授業が終わるまで、休んでいなさい。血が少なくなって、貧血をおこしただけだと思うから」
と言ってくれた。
教室に戻ると、クラスメイトからは、
「そんなんで、気を惹こうとしているなんて……」
「大袈裟だなぁ」
って言われて、なんでこんなの耐えられるの?私は大袈裟なの?と自分がみじめになって、泣きたくなった。
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