何がめでたいんだ?

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何がめでたいんだ?

 私が初めて倒れたのは、中学2年生の頃だった。  小学生の頃は、保健の授業で生理のことについて教えてもらったときは、将来、自分がこんなに悩まされて、苦しめられるなんて、思ってもみなかった。月に一度来るなんて、女の人はなんて面倒なんだろう、嫌だなとしか思ってなかったし、辛いものだなんて教えてくれなかった。  初めて生理がきたのは、小学校五年生の夏だった。家の庭で妹と遊んでいて、ふとトイレに行きたくなった。 びっくりした。 血が出てたから。 でも、「そういや学校で先生が保健の授業で教えてくれたっけ」と思い出した。母に言ったら 「今日は、赤飯やな」 と母は言った。  私は「赤飯は好きだし、食べたいけど、これのどこがめでたいんだ?これから一生これと付き合っていくなんて面倒だし憂鬱だ」と思ったのが最初のイメージだった。  面倒くさいだけならまだよかった。でもその時はそこまで考えていなかったし、痛くもなんともなかった。  ただ、安定してないせいで、朝起きて布団が血の海(正確には途中からバスタオルをいつも敷いて対策をしておくことを発見したので、バスタオルが血の海に……)になるたびに、びっくりして、とても恥ずかしかったのは今でもはっきり覚えている。  5年生の冬、町全体の子どもから抽選でスキーに連れていってもらえるというのに応募した。結果は見事当選。小学五年生の私はとても喜んだ。  1日目は、何事もなくその日を終えた。しかし次の日の朝、一番最初に起きて「やってしまった……」と思った。すぐさま布団に戻り、確認してみると、布団は「血の海」……ではなかった。 助かった。 全身の力が抜け、安心した。 よくよく考えてみたら、私はナイロン製のジャージだった。  そんなこんなで、ちょいちょいハプニングはあったが、痛いとか辛いとかは全然なかった。 でもやっぱり「おめでたい」意味が分からない。今でもそう思う。
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