ゆめをみるということ

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ゆめを見たいのだ まどろみの先で綺麗なものを眺めていたい なにでもなく、だれでもない 綺麗なものそのものを そんなものがあるのだという夢を それは逃避だ 思考の放棄だ だとしても この世界ではなにもかも汚いのが当たり前で 男と女は凹凸を挟んでしか話ができず 女であったり男であったりすることを忌み嫌ったりして 隣の芝を眺めながら枯れた自陣の庭を毟り 吐き気と相撲をとる日々には嫌気もさすだろう 美しいという言葉があり 綺麗だという言葉がある だから、きっとどこかにあるはずなのだ 美しいものや綺麗なものが だから私は目を閉じる ほんのひととき この世の誰をも受け入れない世界を願う そこに私はいない 美しいものが 綺麗なものが 優しく微笑みあっている そんな楽園を想う そんなゆめをみる
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