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九死に一生を得る
闇の中で私は、朦朧としていた。
私は‥‥宮野さんにナイフで切られ、意識を失ったんだった。
確か、切り裂きジャックって‥‥。
「ん‥‥っ」
目を開くと、眩しい光と白い天井が見えた。
「あ、患者さんが目を覚ましました!」
視界に入る様に覗き込んだのは、看護師さんのようだ。
【事件です。ナイフショップで暴れだした男が、女性店員二名に重傷を負わせて逃走。
更に知り合いと思われる女性宅でも重傷を負わせ、警察官13人にも重軽傷を負わせ逃亡中です。
犯人は20代後半と思われ、やや細身で背が高く、赤いスーツ・黒のハット・スラックス姿、返り血塗れとの事で、近隣への注意が呼びかけられています】
これって、宮野さんと私の事‥‥?
【被害者の意識が戻りましたか!?】
【話せる状態か、確認しますので、暫し、お待ち下さい】
病室の外から声がして、医師が入ってきた。
「結城麗奈さん、意識が戻って何よりです。ナイフ事件の被害に遭われたのは覚えていますか?」
「‥‥はい」
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