10人が本棚に入れています
本棚に追加
「僕は、キミに逢えなくなるかも知れない‥‥」
「えっ? せっかく告白してくれたのに‥‥まだ私、返事してないよ?」
「聞かせてくれ‥‥」
私と宮野さんの関係と言えば、友達以上恋人未満だった。
「わ、私‥‥」
<PEEEeeePOOOoooPEEEeeePOOOooo>
サイレンが聞こえる。
宮野さんの心臓がドクンと跳ねたのが、私にも伝わるくらい。
「血が‥‥ミタイ」
「え?」
抱擁が解かれ、突き飛ばされる。
彼の服には大量の血が付いていた。
「キャアアーッ!」
私は、思わず悲鳴を上げた。
「に、逃げろ‥‥切り裂きジャックが来た」
彼は、苦悶の表情から愉悦へと変わっていき、抗うようだった左手が懐に入ると血塗れのナイフを取り出した。
最初のコメントを投稿しよう!