2.日曜日のデート

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 途中、何度も指先が当たって、その度に「ごめん!」と浅野くんは手を引っ込めて謝っていた。  柚木くんと初めて手を繋いだ時は冬だった。  指先は細いのに、関節だけはやけにゴツゴツしていた彼の手を思い出す。  かじかむ指先を捉えられて、自分のポケットに入れてくれた。あの時は確かに彼の熱を感じたのに……。  私は浅野くんの手を取り、繋いだ。 「謝らなくてもいいのに」 「うわ……なんかやべえ……フワフワする!」  これから私が繋いでいく手は、この大きな手。  残る感触を打ち消すかのように、繋ぐ指に力を込めた。    
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