5.知らなかった想い

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「え……あ、うん」  どういうことなのだろう。  私はからかわれたのだろうか。だとしたら笑えない冗談だ。  それからすぐに俊くんが教室へ戻ってきた。 「ごめんな、待った?」  ふるふると首を振ると私の異変に気付いた俊くんが「具合悪い?」と聞いてきたので、これはいけないと思い、気持ちを入れ替えることにした。 「ちょっと疲れたかも」 「そうだよなあ。着ぐるみはきっついわ」 「でも明日もあれを着るのか……」  ケラケラと笑う俊くんに胸を撫で下ろす。  俊くんに余計な心配はかけたくない。  ポケットの中の紙切れがカサ……と音を立てた。  翌日もフォトスタジオは朝から長蛇の列だった。  昨日のことを踏まえて、今日は昨日の倍、フィルム等を追加したらしい。  今日はイベントにも行こうと俊くんと約束していたのだが、ほとんどの人が俊くんを指名するので一緒に行くのは無理そうだった。 「茉白、私でよければイベント一緒に行く?」 「え、いいの?」 「柚木くんライブとか興味ないみたいだし」  それなら、と午後は明歩と回ることになった。 「あー、すっごい楽しかった!」     
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