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3.新しい恋
浅野くんとの交際2日目の朝も、空は雲ひとつない晴天だった。
「おはよ」
「はよ。……なんか照れるな」
学校の最寄り駅まで私は電車で、浅野くんはバスで来る。なので、駅前で待ち合わせて学校へと並んで歩いた。
「え? 何? お前らついに付き合い始めたわけ?」
途中、私と浅野くんが並んで歩いているのを見たクラスメイトに騒がれながら、やっと教室へ辿り着いた。
周りはカップルだらけだというのに、私と浅野くんは友達以上にならないと皆ふんでいたのか、物珍しいものでも見るような目付きだ。
それは、付き合えばいいのに、と散々言っていた明歩も同じだったようで「まさか本当に付き合うとは」と驚いた。
「ついに茉白を落としたか! やるじゃん、浅野くん」
「俺もまだ夢見てるみたいだ。夢じゃないよな?」
浅野くんが頬を差し出してきたので遠慮なく抓った。
「痛い?」
「痛い! ……ってことは夢じゃない!」
ガッツポーズをとる浅野くんが可愛い。
好きを全面に出されるのは、まだ慣れないけれど、間違いなく私は今幸せだ。
幸せなのだ。
「中庭行こうぜ」
「あ、うん!」
昼休み。
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