~日常~

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その後数十分ほど2人の組手が続き、嵐が2人に声をかけた。 嵐「おーい、2人ともー。ちょっとこっち来てくれー」 ミルティ「はーい」 アル「は、はい……はぁ…」 ミルティ「大丈夫?スタミナ切れ?」 アル「本気でやってたのに1発も当てられなかったと思って」 ミルティ「これでも二つ名持ちよ?そんな簡単に1発貰うわけにはいかないわよ(笑)」 アル「そうですよね(苦笑)でも、今の組手で何か掴めたような気もします。ありがとうございました」 ミルティ「それなら良かったわ。ありがとうございました」 お互いに礼をして組手を終わらせて嵐の元に戻る。 嵐「それじゃあ、今から呼ぶ奴は『無の体極』に体術の基礎を1から教えてもらってくれ。呼ばれなかった奴は俺と1対1で組手をする」 そう言って生徒の何人かの名前を呼んでミルティに任せ、嵐は残った数人の生徒と組手をしながら1人1人にアドバイスをして授業を進める。 嵐「よし、こんなもんだろ。じゃあ次、アル」 アル「はい!」 向かい合って礼をして構え、組手を開始する2人。 そして2人が組手を始めると、嵐がアルに話しかける。 嵐「アル、『無の体極』と組手をしてみてどうだった?」 アル「本気で向かって行っても軽くあしらわれる感じで、僕との差をハッキリ感じました」 嵐「そうか。何か掴めたか?」 アル「何となくですけど、何かを掴めたような気はします。…その何かをここで試させてもらいます!」 グッ!と拳を強く握り込んで嵐に殴り掛かるアル。 アル(ただ単に攻撃するだけじゃダメなんだ。相手の呼吸を読むんだ。呼吸が読めれば防御するタイミング、攻撃を弾くタイミング、反撃しようとするタイミングが分かる。そしてその呼吸を崩すことさえ出来れば…!) ミルティとの組手の中で掴みかけた感覚を物にしようと、攻撃を当てる事ではなく、嵐に集中する。 そして嵐に集中していたアルの身体に変化が起きる。 自分が拳を構え、嵐がそれを腕でガードしようとする姿が目に入る。 しかし、その動きがゆっくりに見え、「このままだと防がれる」と直感し、握っていた拳を開き、ガードしようとする嵐の腕を掴んで退かす。 嵐「は!?」 アル「ここだっ!」ドスッ! 嵐は気を抜いていたのか、アルに腕を掴まれた事に珍慌て、その隙にアルは膝蹴りを嵐の腹に食らわせる。
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