~日常~

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クリナが顔を引っ込めてゲートを閉じると、生徒達は「今のは何ですか!?」と嵐に詰め寄った。 嵐「ちょw落ち着けお前らwちゃんと説明してやっからw」 嵐がそう言って宥め、生徒達が落ち着くと簡単に説明をする。 嵐「今さっきアルがやったのは、集中力を極限まで高めただけだ。お前ら、勉強に集中し過ぎて気付いたら何時間も経ってて、ズキンと軽い頭痛になった事ねぇか?」 生徒達に聞くと、ほとんどの生徒は頷いていた。 嵐「お前ら真面目か!?俺なんか1度もなった事無ぇぞ!?勉強大っ嫌いだったし!」 生徒達「経験談からの例えじゃないの!?ってか勉強嫌いで何で教師やってるの!?」 嵐「ちょっと前のお前らが原因だろ!?」 生徒達「………で、アルに何があったんですか?」 嵐「お前ら今日の宿題10倍」 生徒達「申し訳ございませんでしたぁ!」 結愛「みんな息ぴったりね」 生徒達「おかげさまで!(笑)」 結愛「それでお父さん、集中し過ぎて頭痛に襲われるのと、アルのあの急激な成長になんの関係があるの?」 嵐「あれはゾーンって言う状態で、集中力を極限まで高めるとあの状態になる。そうだな…目の前の何かに集中してると周りの声や音が聞こえなくなる事ってあるだろ?勉強や読書の時とかさ」 結愛「あー、あるある。お父さんも、本に夢中になってお母さんの声が聞こえてなくてよく怒られてるもんね」 嵐「それがまさしくゾーンだ。つっても、それは軽い状態だがな。それの極限状態がさっきのアルには起きてたんだ」 結愛「そのゾーンっていうのが起きると、あんなに急に強くなるの?」 嵐「正確に言うと、アル自身が強くなったわけじゃない。さっきのは俺が余裕ぶっこいて気を抜いてたってのもあるが、ゾーンに入ると時間の流れがゆっくりに感じるんだ。だから俺がガードしようとした微かな動きに反応して腕を退かし、膝蹴りを入れた。それに驚いてモロに貰って苦しむ俺に追撃を加えて、もう1発と思った所で集中力が切れた。人間の集中力ってのは思いのほか持続時間が短いもんだ。その集中力を極限状態まで高めてたら脳への負担は半端ないものになる」 結愛「それが、勉強に集中し過ぎた時の軽い頭痛と同じってこと?それの酷いバージョンみたいな」 嵐「そうそう」
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