~嵐とラン~

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ラン「な、なんで…?」 カヤ「何がですの?」 ラン「なんで何も言ってくれなかったの?」 カヤ「私がその事をあなたにお話して、私に何の得がありますの?」 ラン「だ、だって僕たち友達でしょ!?」 カヤ「例え友達だったとしても隠し事の1つや2つはありますわ」 ラン「僕は友達に隠し事なんてしないよ!」 カヤ「ではなぜあなたは、私の事を知った時点で嵐様に復讐しようとしてるとお話をしてくれなかったのですか?それは隠し事ではなくて?」 ラン「そんなつもりじゃないよ!ただ話すタイミングが無くて…」 カヤ「あなたがこの学園の転入試験を受けに来た時、筆記試験の時は私と2人でしたわよね?その時に私が元王女のカヤであると気付いていましたし、その時に話が出来たのでは?」 ラン「そ、それは…」 カヤ「…はぁ。昔と何も変わりませんわね。女相手に少しでも都合が悪くなれば言葉に詰まる。まともに会話も出来ない方とお話することは何もありませんわ」 ラン「ま、待って!」 カヤ「なんですの?」 ラン「カヤちゃんは何も言わないの?僕がアイツに復讐しようとしてる事、アイツの大切にしてる物を全て奪おうとしてる事に」 カヤ「あなたが決めた事ならどうぞご自由になさってくださいまし。あなた程度では嵐様にかすり傷はおろか、嵐様の周りの方々にすら何も出来ないまま終わりますでしょうし」 ラン「僕がアイツに何も出来ない…?本当にそう思ってるの…?」 カヤ「なるほど。この場で私に何かしようと」 ラン「いくらアイツが強くても、カヤちゃんが僕の味方になればアイツは僕の言いなりだ」 そう言って魔力を纏いながらカヤに歩み寄るラン。 カヤ「はぁ…そこまで堕ちましたのね」 バァンッ! 悪に染まったランを見て、カヤは深い溜息を吐いて近寄ってくるランの手首を掴んで、身を反転させながら引いてランを地面に叩き付ける。 ラン「カッ!?」 カヤ「こんな私でも元は王女ですわ。良からぬ事を企む輩に狙われた時の為と言って、嵐様や太陽様から護身術程度の事は習ってますの。もしこれ以上、私を味方にしようと付き纏うのであれば、その時は手加減しませんわ。死をも覚悟してくださいまし。それでは失礼しますわ」
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