~嵐とラン~

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嵐「どんなに強力な能力でも絶対は無いって事だ。俺の黒皇帝の能力だって、どんな能力も作れるし、全身を刃にしたり出来るが、作った能力を対策されれば無意味だ。刃の切れ味だって能力を発動する時に練った魔力の密度によって変わるから、俺より魔力コントロールが上手い奴が相手なら俺の方が切られる」 結愛「ちなみに絶対切断の対策は?さてつ(・・・)とか言ってたけど」 嵐「砂鉄ってのは鉄分を含んだ、磁石みたいな砂の事だ。それは雷属性の魔力で使うんだが…見せた方が早いか。無斬で能力を発動して切りかかって来てみろ」 結愛「えーい」 切りかかって来てみろと言われた結愛は、気の抜けた声とは裏腹に、目では捉えられない程のスピードでいつの間にか持っていた能力を発動させた魔武器の刀を振るう。 バチッ! ギンッ! 結愛「…わぁお」 アル「魔力も感じたし、確かに能力は発動してるのに本当に止められた」 結愛「その黒いのが砂鉄?」 嵐「あぁ。雷属性の魔力を腕に渦巻き状に流して、人工コイルみたいにして磁界を発生させると地面の砂鉄が引き寄せられるんだ。それを魔力で圧縮して強固にすると、何でも切れるっていう能力も封じれる」 アル「説明は難しくて少し分からないですけど、何でも切れる結愛の刀がなんで切れないんですか?」 嵐「絶対切断ってのは1振りで1つの物しか切れないんだ。所詮は砂の集合体とは言え、人1人を隠せる程に大きな砂の中の1つを切ったところでたかが知れてる」 アル「いま結愛が切ったのはその大きな黒い砂を集めた中の1つだけであって、切れてないわけではないんですか?」 嵐「その通り。その点、太陽の切断対象の選択は厄介だぜ?指定した物なら1振りで幾つでも切れるからな。この盾だって、砂鉄を指定すればスパッと切れる。その能力だって、1度に1つしか対象を選択出来ないっていう欠点があるけどな」 結愛「でも太陽のおじさんの速さなら、砂鉄を切ったら瞬時に対象を変更して攻撃に移れるわよね」 嵐「だからこそ厄介なんだよ。つーか、この砂鉄の盾だって、所詮は魔力で寄せ集めてるだけだから、魔力の繋がりを対象にして切られたらただの砂にしかならない」 結愛「…それって絶対切断より強くない?」 嵐「ぶっちゃけ強いよ?切断対象の選択なら、空間とか目に見えない物も切れるけど、絶対切断は目に見える、そこに存在する剣で触れる物しか切れないからな」
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