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ランside
学生寮
ラン「クソッ!どいつもこいつも僕をバカにしたように!」バンッ!
学園をサボって寮に帰って来たランは、自分の部屋に戻ってくるなりカバンを床に叩き付けて感情を露わにする。
ラン「こんな記憶…僕がアイツに負けたなんて嘘だ!僕が魔神と同じだなんて嘘だ!アイツが世界から恩恵を受けてるなんて嘘だ!恩恵を受けるべきは世界を救った僕なんだ!ハァ…ハァ…」
誰も居ない部屋で、自分の都合のいいように考え、先程の話の全てを否定して満足感を得たランは少し冷静になってこれからの事を考え始めた。
ラン「アイツには僕と同じ苦しみを味あわせてやるんだ。殺すなんて生温い…。例え僕の事を知っていても問題はない。いくらアイツが友達は大切だなんて綺麗事を言っても、最後には自分の身を守る奴だ。そんなアイツに僕と同じ苦しみを与えるなら……」
嵐への復讐を改めて誓ったランは、どうすれば自分の味わった苦しみを嵐にも与えられるのかを考える。
そして思考を巡らせ始めたその時、部屋のどこからか掠れた声が聞こえる。
「お前、嵐=巽に復讐したいのか」
ラン「だ、誰だ!?」
「俺か?そうだな、俺は…お前と同じ目的を持つ者、とでも言っておこう。名前は昔に捨てた。好きに呼べ」
ラン「僕と同じ…?お前もアイツに何かされたのか?」
「俺もお前と同じように大切な物を奪われた。俺はどんな手を使ってでもアイツに復讐したい。だが自分ではどうにもならないが、人の手を借りればそれが果たせる。同じ目的を持つ者同士、手を組まないか?」
ラン「僕はアイツを殺す事が目的じゃない。そういう意味で復讐をしたいのなら…」
「どんな手を使ってでもと言っただろ。殺そうが殺すまいが、それはお前に任せる。俺はただ、アイツが苦しむならそれでいい」
ラン「な、なら!」
「俺に策がある。乗るか?」
ラン「もちろんだ!」
「ならまずは…」
嵐の知らない所で話は進む。
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