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嵐の家での特訓から2週間ほど。
今日は学園の終業式で、学園がお昼前に終わり結愛とアルは街に遊びに来ていた。
アル「そういえば結愛?」
結愛「んー?」
アル「この数週間、勇者擬きくんを学園で見ないね」
結愛「なに?心配でもしてるの?」
アル「それは無いね。ただ、何も無い事がむしろ不安でさ。後で大きな事をしてくるんじゃないかって」
結愛「嵐の前の静けさ的な?」
アル「ぅん。嵐先生達なら大抵の事は何とかしてくれそうだけど、少し心配じゃない?」
結愛「別にー?お父さんの人外っぷりも、他の人達の強さも目の当たりにしてるし、あの人達なら何が来ても大丈夫っていう安心感しかないわ」
アル「もしかしたら戦争みたいな事になるのかな?」
結愛「さぁね。アレが自国を巻き込んだりすれば、セントとカルナでの戦争にでもなるんじゃない?」
アル「戦争…」
結愛「まぁ、戦争になっても大丈夫でしょ。どうせ私達は守られるしかないんだから」
アル「僕はともかく、結愛はそうもいかないんじゃない?勇者としてアレを倒さなきゃいけないんだし」
結愛「お父さんの性格上、良い経験になるって戦争には出させてもらえても、最前線に立たせてくれるとは思えないし、その辺どう考えてるんだか」
アル「やっぱり難しいよね」
結愛「そう、難しいの。そんな難しい事を私達が考えてもどうにもならないし、もっと先を見通して考えられる人に任せれば良いのよ。私達にそれだけの頭があるわけでもないんだし」
アル「確かに僕達はお世辞にも頭が良いとは言えないけど」
結愛「でしょ?そんな難しい話よりも、街に来た目的を果たしましょ?アルは買う物決まったの?」
アル「あ、ぅん。元々これが良いかな?っていうのはあったし、実物を見て直ぐに決まったよ」
結愛「そうなの?その割には何も買ってないけど」
アル「時間が経つとダメになっちゃう物だから、近くなったら買うよ。結愛は決まった?」
結愛「まだ悩んでるー。とりあえずお腹空いたし、どっかでお昼にでもしよっか」
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