巻き込まれた…のか？すりー

～帰郷～

勝也｢そうなると何をするべきかじゃなくて、どうやって探すかを考えた方が良いのか｣

彩乃｢魔力探知で勇者擬きの魔力を探すのは？｣

嵐｢魔力探知の原理から考えて無理だ｣

彩乃｢自身の魔力を薄く引き伸ばして立体的なイメージを捉えるのよね？なんでそれが無理なの？｣

嵐｢地球の人間が魔力に触れると魔力そのものに覚醒する可能性がある。そんな事になれば、地球は地球人の手によって滅ぶ｣

勝也｢地球の人間が魔力にふれて魔力に覚醒するのか？魔湖は？｣

嵐｢俺達はシリアに力を貰ったから何とでも理由は付けられるが、太陽に限ってはどう説明する？アイツは魔法陣の力でリスクラに飛んだんだぞ？俺も半分はそうだが、力そのものはシリアに貰ったからな｣

勝也｢リスクラの空気中に漂う魔力に触れた影響で力に目覚めた可能性があって、それが地球でも起こり得るって事か｣

彩乃｢確かにそうなるとかなり厄介ね｣

嵐｢だからどうやって探すかを悩んでるんだが…｣

勝也｢向こうもネットを使ってれば何らかの手段で釣れそうだけどな｣

嵐｢掲示板への書き込みとかか？｣

勝也｢あぁ。俺達が調べた都市伝説系の掲示板とかに勇者擬きに扮して、次はどこで空間魔法を使うって書き込んで、そこに現れればラッキーじゃね？｣

嵐｢アイツらの目的が地球人をリスクラに行かせて何かをしようってんなら人集りになるだろうし、確実に現れるだろうな。けど目的はあくまでも空間魔法の練習だろうし、そこまで大々的に空間魔法を使って目立つ事はしないはずだ｣

彩乃｢それに空間魔法というワードを使わなくても、空間に関して何かアクションを起こせば私達の存在を疑われる可能性もあるし、もしそうなれば姿を見せなくなる可能性もあるのよ？こっちから大きく動く事も出来ないと思うわ｣

嵐｢彩乃の言う通りだ。目立たない地味な方法でどうにか探すしかないんだ｣

彩乃｢……ねぇ、時間にも規則性は無いの？｣

嵐｢時間？｣

彩乃に時間の規則性を聞かれた嵐は、自分がコピーした資料に目を通して確認をする。

嵐｢……夜が多いな。昼間だと光が漏れても目立たないから気付かない可能性もあるが、掲示板の書き込みを見る限りは夜の目撃情報が多い｣

彩乃｢ならさ、夜に上空から見張ってれば良いんじゃない？東京湾はもちろん、太平洋とかも見えるくらいの上空から。もしそれで目立つ発光源があれば可能性が高いんじゃない？もちろん漁船の可能性もあるけど、いきなり海上がパッと光ったら怪しいじゃない｣

勝也｢けどそれって海上で空間を繋いだ時にしか見つけられなくね？陸上の、それも木々が生い茂ってる深い森の中だと空からじゃ見つかんねぇと思うんだけど｣

嵐｢どっちの言う事も一理あるな。海上に絞って捜索するのは良いが、気まぐれで森とかに繋げられると確かに見つけずらいし、海上に気を張ってると見落とす可能性もある｣

彩乃｢海上と陸上で別れて見張ってても陸上だと微妙よね｣