~帰郷~

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嵐「まずは話の結末から伝えるぞ」 太陽、クリナ、結愛「(コクリ)」 嵐「太陽の兄貴、雅さんがリスクラに来てる」 太陽「…なんでそんなに落ち着いてるの!?早く捜索隊を組んで探さないとじゃん!それっていつ来たの!?地球に行って急いで帰って来たって事は最近だよね!?どの辺なのか分かってるの!?分からないなら世界の裏側だろうと職務放棄で探しに行くよ!?ねぇどこなの!お兄ちゃんはどこに居るの!」 嵐「落ち着けって言ったのはお前だろ!?俺だってめちゃくちゃ急いでんだよ!つーかお前に職務放棄させるくらいなら俺の持つ全勢力で世界中を探し回るし表だろうが裏だろうが関係無しに情報集めまくって全力で探し出すわボケ!」 太陽「そんなの関係ないよ!僕の家族って呼べる人がこんな殺伐とした世界に居るなら僕は立場だとかそんなの捨てて探すよ!」 クリナ「2人とも落ち着いてください!今ここでそんな言い合いをしても無意味です!嵐は嵐で何かあると思って私達の所に来たんでしょ!?太陽さんに影響されて嵐まで冷静さを欠いてどうするの!太陽さんはお兄さんの事で熱くなるのは分かりますが1度落ち着いてください!」 嵐「あ、あぁ、そうだな…」 太陽「そ、そうだね、ごめんなさい…」 クリナ「はぁ…。それで、嵐はそんな事態にも関わらず何で私達の所へ来たの?何かあるんでしょ?」 嵐「クリナと結愛が勇者擬きと接触した場所、そこに雅さんが居る可能性が高い。セラフィムの話だと数時間前にアイツが繋いだ空間からリスクラに来たらしいんだ」 太陽「それならそこにお兄ちゃんが!」 嵐「落ち着け。それから既に何時間も経ってる。その場から移動してるに決まってるだろ」 太陽「で、でも!もしモンスターにでも襲われてたら!」 嵐「それならシリアがすぐに気付く。だからその線は薄い」 太陽「それでもこの後に襲われない保証はどこにも無いんでしょ!?だったら今すぐにでも探しに行かないと!」 嵐「分かってるよ!2人があのクソ野郎と接触した場所が分かんのか!?セントの端にある山中ってだけで分かるなら勝手に1人で探しに行けよクソッタレが!」 太陽「!…ご、ごめん……」 嵐「はぁ…はぁ……俺こそ言い過ぎた…」 結愛「つまりお父さんは、その詳しい場所を知るのに私達の所に来たのね?」 嵐「そうだ。細かい場所までは良いから、だいたいこの辺ってのを教えてくれ」 クリナ「嵐との思い出の山よ。学生時代、私の誕生日に連れてってくれたあの山」 嵐「何で山の中に居たのかと思ってたらあそこに行ってたのかよ」 クリナ「どこまでもお父さんに似て1人で自然を楽しむのが趣味な娘が居るもんだからオススメスポットを紹介してあげたの」 嵐「なるほどな。とりあえず場所は分かった。ありがと、2人とも。太陽、行くぞ」 太陽「ぅん!2人とも、見苦しい所を見せてごめんね。行ってきます」 2人はそう言って再びゲートを通って山へ向かった。
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