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クリナ「確かに、昔ランポくんが砂鉄を自力で発見した時も太陽さんに細かい説明を求めてた気がする…」
嵐「そうそうw俺が魔法を教える時も、理解はしてなくても知識として覚えとけってよく言うだろ?それはそういう事なのだよw太陽は理解してるけど、俺は知ってるだけ」
結愛「属性同士の割合は?知ってるだけで属性同士を合わせてもどっちかの属性が打ち消されない?」
嵐「そこは特訓の中で感覚で覚えてる」
クリナ「でも最終的に実戦は感覚なのよね。お母さんは急所を狙った一撃必殺が主な戦い方だけど、個々で微妙なズレがあるし、そこは経験からくる勘で狙ってるし」
嵐「そう。実戦の生きるか死ぬかの中で、割合を考えてる時間なんて微塵も無いんだ。だから感覚を体に叩き込むのが1番早い」
クリナ「だからこそ太陽さんは魔法に関しては嵐に勝てるのよ?ある程度の割合は最初から知ってるし、最大限に力を引き出せるように微調整をして、その感覚を覚えるだけだから」
結愛「なるほどねー。ところで太陽のおじさんのお兄さんって魔法はどのくらいまで教えれば良いの?って言うか属性は?魔力量はそれなりにありそうだけど」
嵐「属性は炎、雷、光の3属性。光が1番強くて、魔力量は680万。階級は上級くらいまで教えとけば生きてくには困んないだろ」
結愛「体術は?」
嵐「それは今からどの程度できるのかを見て判断しようと思う。あ、ちなみに魔力コントロールも含めて本当に1からだから頑張ってな」
結愛「数時間前にこの世界に来たならそうなる気はしてたから大丈夫。で、どの程度なのか見るのってアルとか私がやるの?」
嵐「そこは俺が相手する。お前達じゃ魔力を解放したばかりの素人相手に手加減するのは難しいだろうしな」
雅「手加減とは言ってくれるな」
嵐「それだけ実力差があるって事ですよ。2人が半端な強さで加減を間違えれば簡単に死にますからね」
雅「そんなに弱いつもりはねぇけど、ここで何十年と生きてきた嵐坊の言葉だし、どうしてだか信じちまうな」
嵐「まぁそれはそれとして、本気で掛かって来て良いっすよ」
雅「え、今すぐやんの?」
嵐「当たり前じゃないですか。生きるか死ぬか、殺るか殺られるかの戦いで待ったは無しですよ」
雅「可愛がってる後輩相手にいきなり本気で殴り掛かって来いって言われてもな」
嵐「じゃあ死んでください。俺は先輩相手だろうとお互い向き合って構えれば敵と判断して本気で殺しますよ」
そう言って軽く殺気を込めた鋭い視線を雅に向けると、雅の表情にも緊張が走る。
雅(ま、マジかよ…。嵐坊と太陽に葵の話を聞いてたし、嵐坊も強くなってるって思ってたけどそこらのヤーさんよりヤベェ雰囲気じゃねぇか)
嵐「殺らないなら殺りますよ、葵さんのように」
雅「!……スゥー…本気で行くぞ」
葵の名前が出た瞬間、雅は深く息を吸って目付きが鋭くなる。
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