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太陽(結愛ちゃんの動きを見ながら撃つようにはなったけど、それだけじゃダメだよ。動きを見て、避けられる事とか色んな事を先の先まで読んでそれを踏まえて魔法を撃って逃げ道を無くさないと)
結愛(私は当たりそうな時以外は何も出来なくて逃げるだけなのに、アドバイスの意味に気付かれたらヤバい。それに、いざって時の頭の回転の早さは太陽のおじさんとほぼ同等だし、ふとした瞬間に冷静になられでもしたらギリギリになりそうだし…。煽って魔法を乱発させるのは簡単だけど、やり過ぎるとそれをきっかけに冷静になられそうだしなー…。いくら特訓とはいえ、魔法を覚えたばかりの人に負けたりするのは絶対嫌だし、どうしたもんか…)
アドバイスをした太陽自身はもちろん、その意味に気付いてる結愛も特訓とは分かっているが、負けず嫌いな性格が邪魔して素直に雅をその気にさせられずにいる。
雅「あー、クソッ!考えて使えって言われても元から考えるのは苦手なんだよ!とりあえずやるだけやってやらぁ!」
いきなりそう叫んだ雅は、結愛に向かって走り出した。
結愛「っ!そう来ますか!おじさん、この場合は良いですよね!?」
太陽「まぁ少しはしょうがないんじゃない?」
太陽の許可を得た結愛は、腰を落として身構える。
そして雅は魔力を全身に纏い、身体能力を上げて更にスピードを上げて結愛に殴り掛かる。
対する結愛は生身で雅の拳を弾きながら身体を捻って雅の身体を避けて背後を取ろうとするが、結愛に避けられた瞬間に腕を振るい結愛の胸ぐらを掴む雅。
結愛「嘘でしょ!?なんて反射神経してんの!?」
雅「まだだ!」
そしてそれと同時に踵を返しながら身体を反転させ、右手で大振りな一撃を結愛の顔面に放つ。
雅「ッラァアァァッ!」バギィッ!
結愛「グッ…!?」ドサッ
雅「これで終ぇだっ!」
結愛を殴った雅はそのまま拳を振り下ろすようにして結愛を地面に殴り倒し、空いてる左手に光玉を作って結愛の眼前に突き付ける。
雅「ハァッ!ハァッ!ハァッ!……ど、どうだ…!」
結愛「ま、参りました…」
太陽「わぁお。まさかの結果だね」
雅「言ったろ?考えるのは苦手なんだよ。とりあえず最後に魔法を使えば良いと思ってよ」
太陽「目的とは違うけどそれも正解の1つだよ。どんな手を使っても生きてれば勝ちだからね」
雅「しっかしあれだな、魔力って本当に武装色〇覇気みたいに使えんのな。魔力を全身に纏わさせる感じでやったらめちゃくちゃ筋力上がった気がする」
太陽「それは身体強化っていう魔法だよ。それをぶっつけでやっちゃうなんて、なかなかセンスあると思うよ」
雅「ふーん。…っと、夢中になって本気でやっちまったけど大丈夫か?」
結愛「大丈夫です。そんなことよりもう一回やりましょう。次は手加減しないので」
雅「いや、ちょっとは手加減してくんないすか?」
結愛「手加減してる相手に勝って嬉しいですか?」
太陽「勝ち負けじゃなくてお兄ちゃんの特訓なんですけどー」
結愛「………そうでした」
太陽「ほんと負けず嫌いで親子そっくりだね」
結愛「てへ?(笑)」
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