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近くの森
朝食を済ました2人はギルドで依頼を纏めて受け、とりあえず雅のランクを上げる事にした。
太陽「ここに来る前にも言ったけど、薬草とかの知識はほとんど無いだろうしそこは協力するけど、周囲の警戒や戦闘はノータッチ。死ぬような攻撃でお兄ちゃんが対処しきれないと思った時だけ助けるからね?」
雅「あぁ。あ、取り掛かる前に1つ聞いて良いか?ノータッチって言われた事の範囲になると思うけどまだ始まってないし、セーフにしてもらえると助かるんだけど」
太陽「内容次第かな」
雅「採取しながらでもガチガチに警戒してた方が良いのか?」
太陽「そんな事?それは戦闘の時と同じだよ。いつ何をされても良いように程よい緊張感と警戒心を持ってれば大丈夫。あんまり警戒し過ぎるとそっちに意識がいっていざって時に反応が遅れるから、多少は余裕を持って警戒すること」
雅「分かった、ありがとな。んじゃ早速やるかー」
太陽からアドバイスを貰った雅は、辺りを警戒しながら依頼の薬草などを太陽に聞きながら必要数集める。
太陽(居るには居るけど襲ってくる気配が全然しないなー。むしろ…)
「あ、それは依頼にあったヤツだよ。合計数は7瓶」
雅「ほーい。そういやさ」
太陽「ん?」
雅「モンスター居るけど全然襲って来ないよな。むしろ警戒されてる気がする」
太陽「…僕も思ってたけど、警戒されてる事にまで気付いたんだね」
雅「気付いてたって言うか、襲って来る奴の気配じゃないって思ったんだ。なんかこう、全身に纒わり付くような、ウザい感じ?来るなら来いよって思う」
太陽「ハハハ…凄い精神力だね。最初はいつ襲われるかビクビクすると思うんだけど。ましてやモンスターの気配が分かるなら尚更」
雅「不思議と不安に思ったり怖いって感情が全く無いんだよ。お前が近くに居るってのを抜きにしてもいつでも来いよって感じ」
太陽「………ちょっと予定を変えよう。あと1少しだしパパッと集めちゃおうか」
少し考えた太陽はそう言って採取の依頼を手伝ってすぐに終わらせ、ギルドに報告してCランクへのランクアップの手続きを済ませた後、自身のギルドカードでSSSランクの討伐系の依頼を受け、遥に話を通して雅の同行を許可させた。
雅「けっこう強引な手段で俺を連れ出したな(笑)」
太陽「この依頼の結果次第ではお兄ちゃんのランクを一気に上げられるからね。これで高ランカーになればお兄ちゃんも一人で生きてくには十分な実力を身に付けたって事だから」
雅「……俺がやんの!?」
太陽「あくまでも僕のサポートだけどね。流石に実戦経験の無いお兄ちゃんにいきなりSSSランクの依頼を一人でやれとは言わないよ(笑)」
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