〜実戦〜

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そして2人はギルドを出て、依頼書に書かれた少し遠い所にある山に転移した。 シュンッ! 目的地である山の上にやってきた太陽は魔力探知をしてターゲットを探す。 雅「で、何を倒すんだ?」 太陽「ダークウルフ120匹。少し前にこの辺りでモンスターを操る薬の研究をしてる研究所があって、その薬の副作用とかで凶暴化したモンスターの討伐。さっきと違って見境無く襲って来るだろうから気を付けてね」 雅「ぉう」 太陽「ここから西に1キロくらいの所に居るから、走って行こうか」 雅「りょーかい。世界最強で世界を救った英雄でもある国王様の足を引っ張らないよう頑張るよ」 太陽「あんまりおちょくるなら置いてくよ?」ダッ 雅「ちょっ、悪かったって!置いてかれたら帰れねぇから!」ダッ 数秒で目的地の手前まで移動し、太陽が改めて魔力探知をして正確な数を把握する。 太陽「132匹か。依頼書より少し多いけど誤差の範囲だね」 雅「さっきより気配が強いな」 太陽「凶暴化してるからね。気を抜かなければ大丈夫だよ」 雅「んじゃ行くか」 そう言った雅は鎖を手首に装備して構える。 太陽「初の実戦だし、あくまでも僕のサポートなんだからあんまり気張らずにね」 雅「ぉうよ。ん?お前は武器使わないのか?」 拳を構える太陽を見て雅はそう言った。 太陽「ぅん。いくら凶暴化してるとは言ってもウルフ系だしね。あ、お兄ちゃんは僕の事は気にせず、好きに戦っていいよ」 雅「りょーかい」 そう言った雅は短く「フゥッ!」と息を吐いてスイッチを入れる。 太陽(通常時から戦闘時の切り替え、実戦でも問題無く出来てるね。これなら僕はお兄ちゃんのサポートで戦ってみても大丈夫かな) 雅を見た太陽はそう判断して、先にダークウルフの群れに突っ込み、そのすぐ後から雅が突っ込んで来る。 そして先に群れに突っ込んだ太陽は自身に向かってくるダークウルフを倒しはせず、攻撃を躱しながら雅が対処しきれないダークウルフの攻撃を対処していく。 そして15分ほどで全てのダークウルフを雅だけで倒しきった。 雅「ハァ…ハァ…ハァ…」 太陽「お疲れ様。初めての実戦の感想は?」 雅「今まで人を殴ったり蹴ったりは散々してきたけど、殺すってのはやっぱ重いな」 太陽「そりゃそうでしょ。自分と同じように生きてるモノの命を奪うんだから」 雅「よくもまぁ10代の時にこの重荷を背負って生きてたな、お前ら…」 太陽「嵐のおかげでそういう世界なんだって事を嫌ってほど思い知らされたからね。その嵐も最初はかなり悩んでたみたいだけど」
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