〜実戦〜

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王城・書斎 太陽が城に帰ってきて仕事をしようと書斎に来ると、そこには嵐が待っていた。 太陽「!?び、ビックリしたー…」 嵐「おぉ、悪いなw城に来たらフウが対応してくれて、帰って来たらここに来るだろうからって言われてなw」 太陽「そっか。待たせてごめんね」 嵐「大して待ってねぇから大丈夫」 太陽「それで、この間言ってた件?ちょうどお兄ちゃん達とも話してたんだよね」 嵐「あぁ、その件だ。報告が遅くなって悪い。悪いついでに時間が無い」 時間が無い、嵐がそう言うと太陽の表情は一気に固くなった。 太陽「詳しく聞こうか」 嵐「まず初めに、あの魔法についてはお前にも話したな?人に憑依する事が出来る魔法について」 太陽「ぅん、聞いた。そして誰に憑依してるのかもね」 嵐「その憑依する相手なんだが、複数人が憑依の対象になってる。まぁどこぞのパイナポーヘアーみたいに同時に憑依する事はアイツらの魔法を使うレベルじゃ不可能だがな」 太陽「魔法のレベルが関係するなら憑依できる人物も限られるって事?強ければ強いほど憑依しにくい的な」 嵐「いや、憑依先は自分の意識が複数に分散するイメージが出来れば割と簡単に出来る。俺も同じ魔法を作って試してみたから間違いない。ただ、精神力の弱い奴はより簡単に憑依される」 太陽「なるほど。それなら納得」 嵐「それと憑依の条件が特に無いのが厄介だ。自分の意識を対象の中に入れられれば遠くからでも憑依する事が可能だ。まぁ意識だけ転移させるって感じかな」 太陽「魂だけになったあの人には簡単に肉体も得られる都合の良い魔法ってわけだね」 嵐「そうだ。そして今の話から導き出される答えは何だと思う?」 太陽「………憑依先が複数存在するなら国のどこからでも…いや、国内どころか世界中のありとあらゆる場所で一斉に攻撃を仕掛ける事が可能…?」 嵐「そういうこった。さてさてさぁて?世界を救って英雄と呼ばれ、国王にまでなっちまった太陽くん、君はこの難題をどう処理する?」 太陽「嵐の正直な意見を聞いていいかな?今みたいな悪ふざけは無しで」 嵐「……分かんねぇ。分かんねぇからお前の所に来たんだ。頼む太陽、俺に力を貸してくれ」 太陽「はぁ…。情報を集め終わった嵐にしては話に纏まりが無いと思った」 嵐「ハハッ…お見通しだったわけか…」 太陽「何年の付き合いだと思ってるのさ。それと、頼りにするのは僕だけ?」 嵐「…皆も呼ぼう」 太陽「もう呼んでる。話しながらフウちゃんに頼んで招集をかけたよ」 嵐「そういう所は適わねぇな、本当に」
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