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太陽「この殺気に耐えれるなら相当の特訓しんだね」
雅「数え切れないくらいボコボコにされた。でもそんな数え切れない中で一番印象に残ってんのは一発目の模擬戦だな」
太陽「一発目?なんで?」
雅「殺気全開、魔力全開、そんな本気の嵐坊に瞬殺された。あの時は本当に死んだなって思ったよ」
太陽「確かにそれはインパクト抜群だね」
雅「そういう意味でも印象的なんだけど、瞬殺された後に、「本当に殺されると思いました?もし心の底から死の恐怖を感じたなら、その恐怖心は絶対に忘れないでください。その恐怖心が死から逃れる術、つまり殺し合いの中で生き残る術を雅さんに教えてくれます」って言われたんだ」
太陽「なるほどね。その後は酷かったでしょ?本気でかかっても軽くあしらわれて休む間もなく次の模擬戦で、ひたすらボコボコにされて(笑)」
雅「よくご存知で」
太陽「僕も最初はそうだったからね(笑)魔力コントロールも下手くそで、無駄に放出した身体強化擬きで切りかかって簡単に弾かれて気付けば眼前に拳やら黒皇帝の先端やら…」
雅「それを何年やったんだ?」
太陽「さぁ?何千何万、もしかしたら何十万年とやったよ」
雅「ハハッ…桁が違い過ぎんな」
太陽「そうしないと皆を守れなかったからね。今はもう、嵐や僕が守らなくても大丈夫なくらいに強くなっちゃったけど。さて、そろそろ動くよ」
太陽が柔らかい表情から真剣な表情に変わり、嵐や他の皆を見つめる。
そんな太陽の事を見た雅も真剣な表情で皆を見つめる。
嵐「そんじゃ行くぜ!」バゴッ!
嵐が楽しそうな声色で地を蹴れば、その場から姿を消し、元居た場所は陥没する。
そして次の瞬間にはフレイの目の前で前脚を振りかぶっていた。
ブラン「フレイ!」
しかし嵐を捉えていたブランがフレイと嵐の間に岩の壁を築く。
嵐の力の前ではいくら土帝であるブランの岩の壁でも簡単に破壊されるが、一瞬だけ嵐から姿が見えなくなったフレイは岩の壁を飛び越えて嵐の真上から切りかかろうとする。
フレイ「ウォラァアァァッ!!!」
嵐「上手いけど甘い!」
2人の見事な連携を褒めながらも、岩の壁を破壊するのに振り下ろした前脚の勢いを利用し、体を捻りながら下半身を持ち上げ、尻尾を振ってフレイを吹き飛ばす。
フレイ「グッ…!」
アリナ「水玉!」
フレイが吹き飛ばされた先にアリナが大きな水玉を放ち、それをクッションにしてフレイは衝突によるダメージを抑える。
そして嵐は両の前脚を地面に着いて、下半身は天井を向いてるという無防備な状態。
これをチャンスと思った皆は一斉に魔法での攻撃を仕掛けた。
嵐「やっぱこうなるよな…」
全方向から迫る魔法を見て小さな声でそう呟いた嵐は次の瞬間に魔法攻撃が直撃し姿が見えなくなる。
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