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太陽「嘘…あんなにあっさり…」
雅「んなわけねぇだろ。あの嵐坊だぜ?」
太陽「でも今のは流石に……お兄ちゃん、何か知ってるの?」
やけに自信ありげに言う雅の表情を見て太陽は思った事をそのまま口にした。
雅「まぁ、なんつーか…今までのは特訓前の嵐坊の本気って事だろ。こっからは特訓を仕上げた今の嵐坊の本気だ」
太陽「また強くなったの!?」
雅「あぁ。いくらこっちから殴り込みに行くって言っても何をしてくるのか、何が起こるのか分からないからって言って特訓してた」
太陽「……僕も何が起きても良いようにって鍛えてたけど、嵐はその上をいったんだ…」(ニヤァ…)
嵐が更に強くなった、そう聞いた最初だけ悔しそうな表情を見せたが、その後すぐに口角を吊り上げて笑った。
雅(あれ、俺なんかマズイこと言ったか?)
そして魔法の弾幕を喰らった嵐だが、皆は戦闘態勢を解かずに警戒して構える。
煙が晴れるとそこには人の姿に戻った嵐が立っている。
嵐「予想通りと言えば予想通りだが、思ったより早く本気にさせられたな」
そう言う嵐の姿は、人の形をしながらも顔や首、腕など、肌が見える所は竜の鱗に覆われており、魔法が直撃していたにも関わらずその鱗には掠り傷1つすら負っていない。
勝也「嘘だろ…!?」
彩乃「全員が殺す気で魔法を打ったのよ!?」
遥「いったいどうなってんのよ!」
嵐「身内だしたまには答えを教えてやんよwこれは黒狼竜を人型のまま使えるようにしたんだ」
ランポ「それだけで力が上がるの?」
嵐「今までの黒狼竜の姿はどんなに体を小さくしても3メートルが最小だった。そして体の面積が大きいという事は体に纏わせる魔力も多くなる。だが、人型になれば体の面積が小さくって纏わせる魔力量は同じでも密度が濃くなる。今まではその微妙な魔力コントロールが出来なかったが、今回の特訓でそれが出来るようになった」
ナニル「つまり今まで出来なかったレベルの魔力コントロールが出来るレベルになった事で、より濃い密度の魔力を人型の体という小さな箱に押し込められるようになったと」
嵐「あぁ」
ナニル「今までは人の姿をしてないから人外と言ってたが、今回は人の姿で本当の人外になったわけか」
嵐「…いつになったら俺はお前の背中を見れるんだ?」
ナニル「お前が1人で突っ走るからだろうが!少しはのんびり歩け!」
嵐「この十数年はわりとのんびりしてたと思うぞ?日課の朝練だけでレベルアップを目的とした特訓はほぼしてないし、依頼も月に1回か2回しか受けてないし」
ナニル「十数年でお前に追いつけるわけないだろ!?お前は何万年修行したと思ってやがるんだ!」
嵐「どんくらいしたかな…」
ナニル「真面目に考えるな!とにかくお前が生きてるうちに一度でも参ったと言わせてやるから覚悟しておけ!」
嵐「へーいwんじゃお喋りもそこそこにそろそろ皆の相手をしてやるかねw」
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