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太陽の指示で皆が行ったあと、訓練室には太陽とフウが残された。
フウ「大丈夫…?」
太陽「正直かなり参ってる。でもフウちゃんの言ってた通り、やれる事をやるしかない」
フウ「もし……もし本当に…嵐が…裏切ってたら…どうするの…?」
太陽「その時は僕が止める。僕の予想だけど、さっきの試合で嵐は本気を出してない。そんな嵐にギリギリで勝てるようじゃ必ず負ける」
フウ「でも…太陽は……」
太陽「時間は3日もあるんだよ?各国への連絡をして話が纏まったら僕は訓練室に引きこもる」
フウ「嵐を…超えれるの……?」
太陽「嵐に勝たないことには本当の事が分からなそうだし、超えるしかないんじゃない?それなら僕は嵐を超えてみせる」
フウ「わかった…。信じる…。けど…無理は……しないでね…?」
太陽「嵐を超える為に無理しない方が無理だよ(笑)」
フウ「確かに…(笑)」
太陽「さぁ、これから忙しくなるよ!まずはセント中に知らせて各国に連絡しないとね!」
フウ「はい…!」
それから訓練室を出た太陽は、書斎に向かいながらセント中の貴族に嵐の事を伝えて各国に馬を出してもらうように依頼し、太陽自身も各国へ走らせる馬を手配したりして1時間程で各国へ兵を出した。
そして事が落ち着いた頃に雅を連れて再び地下訓練室に戻り、ひたすらに特訓に励んだ。
太陽「人型の黒狼竜状態の嵐に認められたお兄ちゃんが相手なら遠慮はしないよ。逆に、僕がお兄ちゃんより弱いと思ったらその時は遠慮せずにぶっ飛ばしてね」
雅「わぁーってるよ。いきなり本気で良いのか?」
太陽「実戦に準備運動なんてある?」
雅「オッケー。じゃあ行くぜ?」
そう言った瞬間に雅から冷たく重い殺気が放たれ、無詠唱で魔装をして構える。
太陽「嵐が一緒に戦う事を許しただけあるね」
雅「余裕そうだな」
太陽「この程度ならね。じゃあ始めようか!」ダッ!
太陽がいきなり地を蹴って試合を始めるが、雅は焦った様子を見せずに冷静に太陽の動きを見切る。
冷静に見えるが、それまで魔力を全く練ってなかった太陽が、走り出したその瞬間には魔力と殺気を全開にして魔装をしていた事に雅は内心驚いていた。
雅(動いてからのコンマ数秒で魔装とか、やっぱスゲェな。けどなんだかんだ言っても様子見って感じか?それなら本気にさせてやる)
太陽の動きを見知った雅は太陽の剣を避ける。
スッ…ジャラッドカッ
太陽「カッ…!?」
剣を避けた雅は、太陽の体に魔武器の鎖を巻き付けて太陽の動きを止め、そのままボディに重い一撃を打ち込む。
そして眼前に鎖が軽く巻かれた拳を突き付ける。
雅「あんま手抜きすんなら殺すぞ?」
太陽「ハハ…まさかここまでとは…」
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