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結愛「『望むは生涯の友 共に強くあらんとする者 我が呼びかけに応じよ』」
召喚陣に手を着き、自分の望む使い魔をイメージしながら詠唱を唱えて魔力を流すと、魔法陣はこれまでの召喚で1番強い光りを放つ。
そして光りはどんどんと強くなり、結愛は違和感を覚えた。
結愛(なんかこの光り、だんだんと禍々しさが増してるような気がする…)
結愛がそう思った直後、強く光っていた魔法陣から、いきなり黒い靄のような物が噴き出し、辺りに冷たく重い空気が流れ、その靄の中心にはボロボロの真っ黒なローブを纏った骸骨が立っていた。
結愛「う、嘘…なんで……」
魔法陣の中心に立つ者の姿を見た結愛は、驚愕の表情を浮かべると同時に、なぜその者がそこに居るのかという疑問を抱いた。
なぜならその者の正体は…
「し、死神だ!禁忌召喚だ!」
禁忌召喚を行うと現れる死神の姿と酷似していたからだ。
カヤ「ら、嵐様!これはいったいどういう事ですの!?なぜ死神が!」
死神が現れ、慌てながらどういう事なのか説明を
求めるカヤだが、嵐は特に慌てた様子もなく普通に答えた。
嵐「あれが結愛の使い魔だ」
カヤ「死神がですの!?」
嵐「あいつは死神であって死神じゃない。つーか死神なんて生易しいもんでもねぇ。死神よりやべぇ奴だ」
カヤ「いったい何なんですの!?」
嵐「見てりゃ分かる」
結愛「な、なんで死神が!?私は禁忌召喚なんてしてないわよ!?」
「死神?禁忌召喚?………あぁ、人間の使い魔召喚とやらか」
目の前で慌てふためく結愛の言葉を聞いたその者は、その姿には似合わない、女性的な高い声でそう答えた。
結愛「え……」
「ふむ、使い魔召喚…。話には聞いた事があるが、なかなか面白いものだな。知らない声が聞こえたと思えば、いきなり知らない所に連れてこられるとは……」
ローブを纏った骸骨は、興味ありげに辺りを見渡してから、目の前の結愛に声をかけた。
「お主が私を召喚せし者か?」
結愛「は、はい…。あなたはいったい…」
「私は冥王だ。人間に分かりやすく言えば、死神の王と言った所かの」
結愛、アル、カヤ、その他大勢「死神の王!?」
嵐「な?とんでもないのが来たろ?w」
カヤ「な、なぜそんな方が!」
嵐「命、死者、魂、そんなものと深い関わりのある俺の子だぜ?それに、結愛自身も今まで数多くの命を奪ってきてるし、それに近い者が召喚されても不思議じゃない」
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