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カヤ「な、なるほど…」
結愛「それで冥王さん。私は契約をしてもらえるの?」
冥王「ぅむ、良いぞ」
結愛「聞いといてなんだけど、王と名乗ってるあなたがそんな簡単に契約をして良いの?」
冥王「天界から送られて来た、輪廻にてリセットされた魂を人間界に届けるのが死神の主な仕事で、私はその時に出る書類に判子を押すだけなのでな。時おり起こる禁忌召喚の時には魂の回収などの仕事もするが、それも死神の仕事だし……つまり、私は基本的に暇なのだ」
結愛「そ、そう……じゃあ契約しましょうか」
冥王「ぅむ。魔力の交換をして、私に名を与えて貰えれば契約できるはずだ」
冥王はそう言って骨だけの手をローブから出して結愛に差し出す。
結愛「……握った瞬間に骨折したりしないわよね?骸骨が骨折って、それだけで致命傷になりそうで怖いんだけど」
冥王「毎日判子を押してる私の骨は頑丈だから大丈夫だ」
冥王の言葉を聞いて安心したが、いちおうそっと手を握って魔力を流す。
そして冥王の魔力が結愛に流れ込んで来た。
結愛「名前は"デス"で良いかしら?」
冥王「嫌に決まっておろう!」
結愛「ですよねー(笑)冗談だから安心しなさい(笑)じゃあ声は女っぽいし、私の名前"結愛"をもじって"ユア"でどう?」
ユア「ぅむ、それなら構わん。これからよろしく頼む、結愛」
結愛「こちらこそよろしくね、ユア」
こうして結愛と冥王のユアは、無事に契約を終わらせた。
結愛「さぁ、次はアルの番よ」
アル「ぅん!頑張るよ!」
そう言って魔法陣の前に行ったアル。
結愛「魔力流すだけで何を頑張るんだか」
アルの言葉にそんなツッコミを入れながら、召喚陣に魔力を流すアルを見てると、結愛の時と同じくらい強い光りを放って使い魔を召喚したアル。
アル「うわっ!?」
急な強い光りに、驚いて思わず尻もちを着くアル。
そして光りが弱まると、召喚陣の中心には使い魔の姿があった。
「……人間の使い魔召喚か。貴様が我を喚びし者か」
辺りを見て状況を理解した使い魔は、目の前で尻もちを着いてるアルを見てそう言った。
その使い魔は、黒を基調とした鎧を身に付けた馬に乗り、馬に乗る本人は馬と同じような鎧を着て、片目を閉じたお爺さんだった。
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