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私が今の両親の元に戻ろうとした時だ。
綺麗な顔をした少年が私を見ていた。
別に黙って状況整理をしていたから 変な事は口走っていない筈だ。
生憎だが、前世でも、今世でも 男と言うものには免疫がない。
地味な藻女だった訳だから。
ましてや、綺麗な顔をした少年だ。
話し掛けられない筈だけど、もしもの事がないように、
私は、全力疾走という 逃走を試みた。
逃げたのはいいが、知らない土地、王宮の庭園で 完璧に迷子だ。
戻ろうにも、どこから来たのかわからない。
そして、私が行き着いた先は 噴水だった。
噴水の淵に座って誰かが来るのを待とうと、座ろうとすると、
私は 背後から誰かに押されて 噴水の中に落ちた。
たいした深さではないが 今日の日の為に着てきたドレスはビショ濡れだ。
私は、噴水の中で体を起こすと 私を噴水の中に落とした犯人を見る。
やっぱり、さっきの綺麗な顔をした少年だった。
その少年は、濡れるのを気にもとめず、私の近くに来て、
私の髪を掴んで 私の口の中に ナニかを入れた。
私は、その少年の赫と瞳が爛々に輝いているのが 印象的だった。
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