0人が本棚に入れています
本棚に追加
/85ページ
まずは現場の把握と、帰るための手段、ここに来た目的探しあたりが定石だろう。
まぁ、いずれにしろ、それらで得た知識がマニュアルとなってて、何をすべきかなんとなく分かるんだよな。
わかるんだよ…
わかるんだけど……
「なぁ、鈴屋さん…」
鈴屋と呼ばれた女子が水色のロングヘアーをさらさらと揺らせながら振り返る。
「なぁに、あー君」
鈴屋さんは屈託のない、みるからに清廉潔白な、曇りひとつ無い、純粋無垢な………とにかく一切の邪気を感じさせない完璧なまでの聖女の笑顔を見せていた。
あぁ、かわいい。それも知っている。
鈴屋さんは俺のパーティメンバーだ。キャラクター名がSUZUYAで、プレイヤー本名も鈴屋らしい。
実際に会ったことはないから、その真偽はわからないけど。
ちなみに俺はウケ狙いで「ああああ」とつけたから「あー君」と呼ばれている。
「これってさ…」
「いいの、あー君。私もだいたい把握したつもり」
「そうか、さすがネットマブダチ。話が早いね。みんなもいるのかな?」
みんなとは他のパーティメンバーだ。
俺達はアイテムをケチって死に戻りをしたわけだけど、死に戻りは所属国で最後に立ち寄った街の中にある墓地に飛ばされる
最初のコメントを投稿しよう!