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鈴屋さんと暗殺教団!
ラット・シーでの出来事から早一カ月。
あれからかまたいくつかの冒険をこなし、俺と鈴屋さんはいよいよ遺跡探索をしようということになっていた。
探索と言っても安全マージン確保が最優先で、入り口付近から少し入る程度だ。
俺はその準備の一環として、南無さんの工房に足を運んでいた。
ゲーム内での南無さんは、戦場では破戒僧、街中では鍛冶師として働いていた。
「私、生産職好きなんだよね~。ほら、鉄もパンも焼くってところは一緒でしょ?」
その表現にはなんとも同意しかねるが、南無印の武器はそこそこ有名だった。
そう言えば武器のステータスを見れば製作者の名前も出てきてたし、生産職にとってはモチベーションになるんだろう。
「はい、これ。頼まれてたニンジャ刀」
南無さんがそう言って真っ赤な鞘に納まった小振りな刀を差しだしてくる。
ニンジャが存在しないこの世界には、もちろんニンジャ刀も存在しない。
しかし俺同様、南無さんの身体にもゲーム内での経験は記憶されている。
以前にゲーム内で製作依頼をしたことがあるんだから、きっとつくれるはずだと思い相談したのだ。
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