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うっせ。
腹いせに光紀のナゲットを3個ほどまとめて食ってやった。
「あ、俺のナゲット! そういうことする奴には、これやらないからな!」
光紀がスマホの画面を俺に向ける。
「あ?」
アフターファイブ限定! テディランドフリーパスポート☆
メインキャラが手を大きく広げた写真とキラキラとした装飾に飾られた画像が写っていた。下にはバーコードがついている。
「電子チケット。やっと取れたんだけど、歩美が試合で行けなくなったんだよね。地味子さんと行くならあげるけど」
佐藤がこういったところではしゃぐ姿は全く想像できないけれど、普通に買っても5千円程度はするチケットがタダで手に入るなら行かなきゃ損だ。
「お土産と土産話よろしくな」
光紀はチケットをメッセで送信してくれながら、悪い顔で笑った。
デート、とはどう切り出せば良いのか。
佐藤の連絡先を見ながら、ベッドの上で考えること30分。
電話か、メッセか。電話はかけるまで、メッセは書き上げるまで。どちらもそこそこにハードルが高い。
要件を切り出すのも難しそうだと、メッセでなんとか文章を作り上げる。
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