恋するバツゲーム

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「わかってる。バカなことした。だから、もういいんだ」 「……なんで、映画の後、一緒にご飯食べなかったんだよ?」 「だって。もういっぱいいっぱいだったし。それに、歩美も押してダメなら引いてみろって」 「引くのは押してからってのが大前提だ!」  光紀がため息を吐く音が聞こえる。佐藤がいつもより饒舌なのは気のせいじゃないだろう。  デートのあと。押してダメなら引いてみろ。それって、俺のことを? 「お前なあ、それが、俺に颯斗を騙させた上に、俺たちの熱愛スクープまで偽造して颯斗に告らせたあげく、俺にテディランドのチケットを取らせた奴のやることか? しかも、テディランドのチケットは使わねえし!」  なんだ? なんの話だ?  俺は額に手を当てる。 「うるっさいなあ! 言われなくても最低なのはわかってる! それに、テディランドのはお金払ったでしょ!」 「そういうことじゃねえ!」 「歩美がランド好きだから、あんたと行けばいいと思ったの!」 「そんな気遣う暇があったら、正直に言って早く許してもらえよ! だいたい、学食のおばちゃんの手伝いまでしてさ、小林とご飯食べる席を確保するなんて手の込んだことまでしたのに、この有様かよ」     
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