恋するバツゲーム

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「「「ねー?」」」  女子たちがなぜか意気投合している。  これは、まさか。 「お前と清水って、そういう目で見られてたみたいだよ」  立川がご丁寧にもそう教えてくれる。 「まじかよー」  思わず座り込む。これはきつい。っていうか、光紀には。 「そうだよ! 光紀には彼女いるだろ! 俺らはただの友達だから!」  起き上がると、立川が笑いをかみ殺しながら、肩を叩いた。 「だから、お前の片思いだ、っていうことになってるらしい」 「なんだよ、それ」  力が抜ける。再びしゃがみこむと、ガラリとドアが開いた。 「はよー。なんだよ、みんなどうしたんだ?」 「光紀……。 お前からも言ってくれ」  俺はもうHPがない。光紀は黒板まで行って、「ギョエーーー」とか謎の叫び声を上げている。 「うそ、嘘、ウソ! んなわけないだろ! 気持ち悪い!」  おえーと吐くマネまでしてくれる。 「颯斗! 早くこのガセネタをなんとかしろよ! こんな噂流れたら、歩美に振られかねない!」  確かに、光紀の方が切実かもしれない。 「好きなやついるだろ! もう今すぐ告れ!」 「は!?」  なぜ、そんな展開に!?  光紀は、絶望したように床に手を吐くと、俺にだけ見えるようにアイコンタクトしてくる。     
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