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正八面体の半分
一瞬、数学の問題を読んだとき、正八面体の半分は正四面体だと思っていたときがある。それは体積的な半分ではなく(だとすれば、作れないことはない)、二つの対角線を利用した、半分の形だ。それでは、切断面は正方形になってしまう。それが、正四面体との違いだった。それを理解するのに、やや、苦しんだ覚えがあるけれど、正直、見るのが、理解するのに、一番はやいのではないだろうか。
皿を洗いながら、そんなことを思い出していると、彼女は、手伝えと、僕を呼んだ。
全ての皿を洗い終わってから、彼女のもとへ向かうと、気が立っていた。
「テント、立てられないんだけど」
そんなはずはない。一ヶ月前に使ったばかりである。もう使用期限なのだとすれば、払ったお金の割に云々、思ってしまうだろう。
もう一度、僕の目の前でテントをたてるように頼むと、どうやら、ただ単に、彼女の力が足りていないだけのようだった。
僕は支えつつ、テントをたてるように言うと、今度はすんなりと組み上がる。彼女は首を傾げたが、僕は、それを気にしなかった。
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